労働法で守られない自営業者のゴールデンウィークの休み方。

ゴールデンウイーク(GW)に入り、世の中楽しげな雰囲気ですね。先週末はプレミアムフライデーなんていうのもありましたっけ。自営業者のみなさん、休めているでしょうか?

そもそも、私たち自営業者は労働基準法で守られていません。自分で経営に責任を負っているのだから、休みたければ休んで問題はないのですが、この時期こそ「かきいれどき」だったりもするし、一日休むだけで入ってくるキャッシュが違ってきたりするので、休んでいても不安になることもあります。私自身独立して9年、ずっとこのGWとお盆とお正月という時期にはもやもやとした気持ちがゼロになったことはありません。

かといって、自営業者は体が資本。本人が倒れたらまわりのスタッフ、クライアント、いろんなところに波及が及びます。残業規制にひっかからないからと寝る間も惜しんで働いていたらそれこそ自分に全部かえってきてしまうのです。私たち自営業者はいったいどうやって休みをとったらいいのでしょうか。

■まず短期的に、このGWでやってみること
(1)自分との約束の優先順位を格上げする
世間が休みのときに最もいいのは、「電話やメールが減る」こと。自分の都合で動きやすいのです。自分のタイムスケジュールを決めて守り、その中に本を読む、散歩に行く等、方法はなんでもいいので自分の体と心が休まる方法をきっちりと数時間でも(丸一日とれればもちろん!)とってみるのはいかがでしょう。この時だけ自分との約束を優先順位1位にもってくるのです。せめてこの時だけは緊急以外、うっかり電話に出たりしないこと。世間も自分も休みです!

(2)家族や友人との時間を短くてもいいのでとって、笑顔で安心させる
自営業者になると、仕事とプライベートの区別がつきづらくなります。これを居心地がいい(あるいは慣れた)と感じる人と、本当はきっちり分けたい人と2タイプに分かれます。特に子どもがいたりすると、学校行事があったり、週末や祝日にあそびにつれていってほしいといわれることも多く、私も子どもたちが小さいときには心を痛めたことが何度もあります。なかなか慣れませんでした。

悪いなあ、でもやらないといけない仕事もあるし・・・と迷うときは、たいてい、「やらなくてはいけない仕事」が終わるかどうかが不安なことが多いもの。それなら、その仕事をあとからでも集中して頑張ると決めるか、可能なら前倒しでやって、とりたい時間を確保します。ここは、踏ん張ることが必要。家族や大切な人たちとの時間、あなたの笑顔は家族にとっても、そして何より自分自身にとって、仕事を続けていくうえで大切な支えとなります。

■そして長期的にはこう考えよう
本来は、人が休んでいるときに無理して休まなくてもいいのです。すでに大企業でも、在宅勤務やフレックス制などで、時間や場所の制約が緩み始めてきています。この傾向は、今後加速していくことは間違いありません。働き手はどんどん減っていき、その貴重な働き手も、介護や育児、闘病等個々の理由で、長時間同じ場所に拘束されて成果を出すことは難しくなってくるからです。

「働き方改革」は、今後減る一方の働き手の力でこれまで通りの成果を出すために、自分たちが不要になった時間や場所の制約を取り払うためのものだったはずです。とすれば、もともとその制約がゆるい自営業者は率先して普段から、平日2日くらい数時間ずつ休んで自分のための時間にあててもいい。その時間で読みたい本を読んだり、体を鍛えたり、絵を見に行ったり、人に会いにいったりしてみるのはどうでしょう。

これは、ただやみくもに「仕事以外」のことをして時間を消費するということではありません。
自営業者は自分の仕事を自分で決めて、あるいは創っていかなくてはなりません。そのためには、自分が今、そして将来(これはそれぞれが置かれたライフステージによってどこまで見通すか異なりますが)に向かって必要だと思うことにはお金と時間を惜しまずに投資することが必要です。読書など上に書いたようなことでもいいですし、人とのネットワークづくり、自分の事業分野のスキル取得等なんでもかまいません。ポイントは今、目の前の仕事のためだけではなく、将来の仕事の可能性を広げるためにつながることを常に探し続ける時間を少しでもいいのでとること。それが自分にとって何かということを考える時間をGWにとってみてもいいですよね。

休みをどうすごすかを考えることは、自分の時間、もっと言えば、人生をどうデザインするかを自分で決めること。そして、いずれこれは自営業者だけではなく、組織の中でも成果を出すためには必要なスキルとなってきます。自分で責任をとれるなら、自分で決められる。自由って、そういうことではないでしょうか。